2019.05.04-05で大雪山をテント泊縦走をしてきたのでそのレポートです。
この時期の北海道の山は初めてでしたが、天気に恵まれ、北海道らしい人の少ない山を満喫することができました。
大雪山テント泊周遊プラン
まだまだ雪の残るゴールデンウィーク。あれこれと行き先に迷ったのですが、アクセスがよく、無雪期に1度歩いたことがある大雪山を選びました。
大雪山の主峰である旭岳へロープウェイでアクセスし、適当なところでテントを張って、翌日はお鉢をぷらぷら散歩して時間を見て下山、というプランです。
結果としては、旭岳・間宮岳・中岳・北鎮岳・比布岳・安足間岳を縦走する山旅となりました。
札幌からバスを乗り継ぎ旭岳へ
札幌を起点とした大雪山(旭岳)へのアクセスは、まず旭川へ向かい、そこから『いで湯号(予約不要)』というバスに乗り換えるというもの。旭川へは電車もでていますが、『高速あさひかわ号』という高速バスを選びました(往復4000円弱・予約不要)。
朝7時の便に乗って、旭川に向かいます。朝イチなのに補助席も出動して満員でした。GWおそるべし…
旭川に着くのは9時すぎで、9時41分のいで湯号を乗り継いで、11時半前に旭岳に到着します。
登山開始としてはかなり遅めの時間帯ではありますが、ロープウェイの終点から旭岳のピークは2時間ほどですし、そこから1時間ほど下れば『裏旭キャンプ指定地』なので問題ないでしょう。
バスのなかから大雪山系が見え、そのスケールの大きさに感動。
旭岳をこえて熊ヶ岳にテントを張る
さっそく、終点『姿見駅』を目指してロープウェイに乗車。結構な数のスキーヤー・スノーボーダー、そして観光客(と言っても、ロープウェイに乗り切れるくらいの人数))と一緒に一気に標高を稼ぎます。
姿見駅までいけば、あたりは雪の世界。準備をしてハイクアップ開始です。
登山者・BCスキーヤーなどたくさんの人が入っていて、トレースもバッチリ。ただ、ほとんどのひとがスノーシューなんですよね。ツボ足で歩いているのはぼくと観光客くらい。
時間が時間なので雪もゆるんでいて、けっこう踏み抜きます。「旭岳まではトレースバッチリだろうし、その先は稜線だからほぼ夏道だろうな〜」という甘い考えでワカンを置いてきたことをはやくも後悔しました。
気温は高いものの、標高をあげるとけっこうな風が吹き付けてきてちょうどいいかんじ。エビの尻尾も育っていました。
そして、なんといってもこの圧倒的なスケール!北海道の山に来たんだな、と実感する瞬間です。
山頂に近づくにつれて雪は減り、踏み抜きもなくなりました。かわりにアイスっぽくなっている部分もあり、アイゼンを使ってる登山者もチラホラ。
そして、旭岳の山頂です!2度目の北海道最高峰となりました。
今日のキャンプ地候補である『裏旭キャンプ指定地』は火口側(ロープウェイの逆側)にくだった鞍部。GWなので誰かいるかなーと思いましたが、そっち側に下るのはBCのひとたちだけで、登山者のトレースはありませんでした。
海みたいなシュカブラがいいかんじ。
キャンプ指定地についたちょうどそのとき、向こうからトコトコ走ってくる黄色い物体が。
まさかのキタキツネでした。こんなところで、しかもこんな時期に出会えるとは予想外でした。かわいい…
人馴れしてる雰囲気だったので、つきまとわれたり食べ物を狙われたりしたら厄介かもなーと思いましたが、ぼくの周りをぐるっと回ってまた来た方に戻って行きました。なんだったんだろう?
思ったよりも風が強かったので、裏旭キャンプ指定地にテントを張るのは諦めて、熊ヶ岳のほうまで行ってみることにします。
稜線沿いに歩いていたら、風を避けられそうないい感じのスペースを発見。ロケーションも最高です!
整地して、テントを張る。
ほんと、『最高』以外の言葉が見つからない。
半年ぶりくらいのテント泊でしたが、気温もたかく快適に過ごすことができました。
お鉢をなぞって安足間岳まで縦走
翌日は4時半に起床。
すでに日が昇っていてご来光を逃してしまいました。この時期の日の出ってこんなに早かったっけ?と驚きながら、テントを畳んで出発です。
朝イチから大絶景の稜線あるき。たまらん…
忠別岳への登山道は氷の道になっていました。昨夜はマイナスいってたみたい。
大雪山のお鉢が見えてきました。広大すぎてカメラに写りきりません。
北鎮岳へののぼりの途中は、まるで未知の惑星のよう。
北鎮岳に到着、北海道第2の高峰です。昨日は雪の深さを警戒していましたが、やはり稜線はそこそこ夏道がでていてツボ足で快適に歩けました。
むこうにみえている特徴的な尖峰は『愛別岳』です。かっこいい…
やっとお鉢が写真におさまるサイズ感に。
コンディションをみて引き返すところを決めようと思っていましたが、まだまだ時間があるのでそのまま縦走を続けることにしました。
鋸岳。右はすっぱり切れ落ちているので、左側を巻きます。結構イヤなかんじの斜面で、アイゼンとピッケルを使いました。
急登を登り切ると比布岳に到着です。やはり気になるのは、こちらの愛別岳。めっちゃかっこいいです。
ぜひとも登りたいと思って途中まで行ったのですが、かなりエグい感じでちょっと怖くなったのでやめておきました。一旦登り返して、安足間岳へ縦走します。
安足間岳は存在感のある崖が特徴的でした。
安足間岳の山頂付近で、反対側からハイクアップしてきたBCスキーの一団とすれ違います。まだロープウェイも動いていない(か、動き出してすぐ)のに、なんでこんなところにいるんだろう…?
さて、そろそろ楽しい縦走も終わりで、帰りのことを考えないといけません。もともとは来た道をもどって帰るつもりでしたが、雪田のむこうに姿見駅がみえていて、明らかにこっちのほうが近い…というわけで、尾根伝いにおりて雪田を抜けるルートで下山することにしました。
下山は雪田を強行突破
安足間岳からは谷をわたるスノーブリッジに向かって下りていきます。BCスキーのトレースがくっきり。
スノーブリッジを渡ったあとは、広大な雪原を強行突破して姿見駅へ向かいます。
途中、中岳温泉の近くでテントをいくつか見かけました。安足間岳であったひとたちはたぶんそこから来たのでしょう。日中はBCでさんざん遊んで、天然の温泉にはいって、テントで寝るって生活をしているんだろうな。羨ましすぎる…
しばらく雪田と格闘したあと、11時まえに姿見駅側に戻ってくることができました。時間があるので、ちょっと遠回りしてガスの噴出口を見に行くことにします。この時期にしかできないですし。
11時すぎに姿見駅に到着、ロープウェイで下って下山完了。残雪の大雪山、たっぷり満喫できました!
まとめ・残雪ならではの大雪山を満喫
さいごに誤解のないように書いておくと、本来、無雪期であれば指定地以外でのテント泊は禁止ですし、ガスの噴出口も近くことはできません。積雪期だからこそこういった山行ができるという意味で、この時期にしかできない山行ができたかなと思います。
北海道にきたからにはぜひBCにもチャレンジして、中岳温泉でキャンプを張ろうといういう目標ができました。そして、今度はぜひとも愛別岳に登りたいと思います。
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