個人投資家がトータルリターンで損になる『高配当株』を保有する理由

株価のチャート

こんにちは、投資1年生の南蒼樹です。

投資の先輩方のブログやSNSをみていると、多くの場合『高配当株』をポートフォリオに組み込んでいますよね。しかし、高配当株はトータルリターンという視点では不利になる傾向があります。

本記事では、「トータルリターンでは損になる可能性が高いのに、なぜ先輩方は高配当株を買うの?」という疑問に対して、私なりの考察を述べてみようと思います。

【結論】配当は、定常的な利益確定により心の平安を生むための仕組み

私の結論は下記ツイートの通り。

投資の経験がない人ほどトータルリターンを重要視し、結果を出している人ほどインカムゲインや株主優待などメンタル面を考慮している気がする。

『継続的に市場に居座ることが大事』とはみんな言うけれど、後者はそれをお金やモノとして具現化することで確実に達成する仕組みを作ってるということか

配当金は「精神的な平安を担保し、市場に居座り続けることを可能にするための仕組み」だと考えます。

トータルリターンはあくまで『仮説にもとづいた数字』ですが、そこには「ほんとうに実現可能か」という視点が加味されていません。始めるときは「絶対に自分は大丈夫」と思っても、その信念を曲げずに続けることは非常に難しいでしょう。とくに株式投資は何年・何十年という超ロングスパンでの戦いですのでなおさらです。

その『実現可能性』という点に目を向けたときに、「精神的に安心できる仕組みを用意する」というのが先達の結論なのではないでしょうか。

実際、本ツイートのリプライで三菱サラリーマンさんや投資カービィさんにご同意いただいています。

高配当株投資の意義

高配当株はトータルリターンでは損

本論点の前提である「高配当株がトータルリターンで損になる」という点について軽くおさらいしておきます。

キャピタルゲインとインカムゲイン

投資のリターンは、保有株の値上がりによって得られる利益『キャピタルゲイン』と、配当金や株主優待によって得られる『インカムゲイン』に大別されます。後者は毎年・数ヶ月おきなど定常的に「配当金」としてキャッシュが受け取れますが、前者は無配当銘柄が多いので「株式を売却したとき」にしかキャッシュフロー が発生しません。

ですので「キャッシュフロー を重視するなら高配当株」という論理になるわけですね。

これだけ見ると高配当株によるインカムゲインの方が得な気がしますが、そんなことはありません。

配当金=企業資本の流出

もうちょっとマクロな視点でみて見ましょう。

配当金の出どころは、その企業の財布です。…ということは、「配当金を支払っている企業」というのは、企業の資本が減ることになります。事実、アメリカの企業には「配当金を支払うために借金をする」といった企業も存在しています(株主第一主義)。

つまり『高配当銘柄』は資本がどんどん流出するので、まったく配当金を出さない企業よりも投資や広告に回す資金が減り、結果として企業成長が鈍化するということになります。

成長株として名高い『アマゾン』と配当王として名高い『ジョンソン・エンド・ジョンソン』の株価の推移を以下に示します。

アマゾンの株価推移

ジョンソン・エンド・ジョンソンの株価推移

どちらも右肩上がりのグラフを描いていますが、注目してほしいのは縦軸の目盛りです。同じ10年間で前者は約10倍になり、後者は2.5倍程度に留まっています。この差がすべてが配当によるものというわけではありませんが、全資金を自社の成長に費やす企業に比べて、高配当銘柄の成長が鈍化するというのは自然な流れです。

高配当株への投資は、トータルリターンという観点で成長株投資に比べて損になることが珍しくありません。

成長株は利確するまで不安がつきまとう

ここで、冒頭の疑問が生まれます。投資の目的は資産の最大化ですので、「なぜわざわざトータルリターンが最大化しづらい高配当株を保有するのか」ですね。

無配当の成長株がトータルリターンの最大化に適していることは先述のとおりですが、おそらく無配当の成長株「だけ」を保有するのはメンタル的に相当キツいです。なぜなら、出口戦略が立てづらいから。仮に10年かけて株価が倍になったとして、いつ大暴落が起こるか分かりません。株価が上がっても、利確するまではずっと「含み」益なので資産は常に毀損されるリスクに晒されており、安心できません。

一方の高配当投資は『配当金』によってこまめな『利確』が行われるので利益としてのキャッシュが得られ、精神的な安心感に大きく寄与するのは想像に難くありません。

そしてこの「精神的な安心」が投資家を市場に留めて長期投資を可能にし、その結果資産の拡大に繋がるのでしょう。

投資の先輩方は、これまでの投資経験からこの「精神的な安心」を重要なファクターだと知っているため、高配当株を選択しているんでしょうね。

投資手法でなく、その裏の心理を捉えたい

ちょっと調べると様々な情報を得ることができる昨今ですが、投資方針は人それぞれ。

高配当株分散投資をすすめる方がいれば、成長株集中投資をすすめる方もいます。ただ情報を鵜呑みにするだけでは、いつまでも自分なりの株式投資のコンパスは定まりませんし、仮に定まったとしても不安定なものになるでしょう。

先輩方の発信する情報の裏にある心理をとらえて自分のライフスタイルやビジョンに合致する投資方針を築き、どっしりと構えて資産を構築していきたいものですね。

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