初めてでも失敗しない!長期縦走を成功させるためのコツまとめ

裏銀座を縦走する登山者

ここでは、長期縦走を成功させるためのコツをまとめました。

つい先日、28日間の北アルプス全山縦走にチャレンジしたものの、5日目で膝を痛めてしまい、成功させることができませんでした。

「なんだよ、失敗したのかよ」と思うかもしれませんが、個人的には、失敗したからこそ「なにが悪かったのか」を冷静に分析できていると感じています。

手痛い失敗から学んだ長期縦走のコツをまとめておきますので、これから長期縦走にチャレンジするひとは参考にしてみてください。

  • 縦走まえの計画と準備
  • 長期縦走の食料と装備
  • 縦走をはじめてからの行動

という3つのポイントに分けて解説していきますね。また、縦走での便利アイテムもあわせてご紹介します!

ヨウコ

どのくらいの期間で『長期縦走』っていうの?

ソウジュ

ざっくり、1週間以上のイメージかな!

長期縦走の計画と準備のコツ

長期の縦走になればなるほど、この『計画』と『準備』が成功を左右するポイントになります。逆にいえば、ここがしっかりとできていれば、縦走が成功する可能性はかなり大きくなります。

ソウジュ

ちなみに、ぼくはこの『計画』がいちばんの敗因だったと感じています…

長期の縦走をするなら夏か秋がおすすめ

まず季節についてですが、おすすめは夏から秋にかけて。目的地にもよりますが、春・冬は雪によってリスクが桁違いにおおきくなるからです。

夏のメリットとデメリットはこんなかんじ。

山小屋がやっている

水が豊富

荷物が少なくてすむ

暑い(ウェアが汚れやすく、水分も多めに必要)

暑いことをのぞけば、いちばん理想的な季節ですね。

一方の秋については、こんなかんじ。

過ごしやすい気温

紅葉がきれい

荷物がふえる

山小屋が閉まる

水が入手しづらくなる

天気によっては雪になる中途半端な時期なので、その備えがネックになってきます。

ソウジュ

ちなみに、先述の北アルプス全山縦走は2018年の9/21から約1ヶ月でチャレンジしました!

行動時間ははじめは短く、だんだん長く

具体的な行程についてですが、とくに縦走をはじめて5日くらいは行動時間を短めに設定したほうがいいです。その理由は以下のとおり。

  • 装備が重くなるので、スピードが落ちる
  • 疲れが大きいので、思ったよりも進めない

ぼくはここを短期縦走とおなじペースで計画してしまったことがひとつの敗因だと思っています(1日あたりの標準コースタイムが10時間をこえるプランでした)。

行動時間はひとによりますが、縦走の初期はふだんの縦走の6~7割をひとつの目安にするといいでしょう。

たとえばぼくの場合、短期縦走で1日あたり10~12時間くらいのコースタイム設定をするので、長期縦走なら6~9時間くらいが目安になります。

縦走をはじめて3日ほど経つと体が慣れてきて、だんだんとペースアップできるようになってきます。そうしたら、ふだんの縦走の8-9割くらいを目安にすると無理なくあるけるでしょう。

じっさい、北アルプス縦走でも初日はコースタイムぴったり、2日・3日とたつうちに少しずつペースが上がってきて、4日目くらいでコースタイムの8割くらいであるけるようになりました。

予備日は分けて設定する

縦走中、天気や体調が原因でどうしても進めないときが必ずでてくるはず。そんなときのために、あらかじめ『予備日』を設定しておくのが一般的です。

ふつうの山行ならば「1泊2日、予備日1日」というかんじで全体の日程のさいごに予備日をまとめることが多いと思いますが、長期の縦走ならば3~5日おきに予備日を設定しておくといいでしょう。

たとえばこんなイメージ。

日程 ルート
1日目 A登山口-B山小屋
2日目 B山小屋-C山-D山荘
3日目 予備日(はじめの3日でD山荘まで)
4日目 D山荘-E峠
5日目 E峠-F山-G小屋
6日目 G小屋-H登山口
7日目 予備日(7日でH登山口まで)

こういう予備日のとり方をしておくと、計画通り進めない日があっても「この日までにこのあたりまで行ければOK」という心の余裕が生まれますし、全体をとおして計画とのズレを減らすことができます。

水場や山小屋の営業期間をチェックする

なにかあったときには山小屋を頼ることになりますが、山小屋によって営業期間はバラバラ。また、地図に『水場』と書かれていても、実際に水がでているのかは分かりません。

  • どの山小屋がいつまで営業するのか
  • どの水場で給水できるのか

という2点はしっかりと確認しておきましょう。

とくに水場は、夏はジャバジャバでも秋には涸れてしまうこともありますし、年によって出たり出なかったりします。必ず最新の情報をチェックしておきましょう。

ソウジュ

山小屋や水場の最新情報は、山小屋のホームページやほかの登山者のSNSがとても参考になりますよ!

縦走にむけてトレーニングをしよう

こんなことを書くと「厳しい」と文句を言われそうですが、トレーニングはしておきましょう。

毎週末登山をしていても、普段ほとんど動かない生活をしているひとがいきなり何日も歩くのはかなりキツいです。

とくに縦走期間が長くなれば体力的な負担も大きくなるので、トレーニングしておかないと山で痛い目にあいます。ランニング・プール・歩荷トレーニング・ジムなどなど、できる範囲で動いておきましょう。

長期縦走の装備と食料えらびのコツ

装備と食料は、つねに持ってあるかなければいけないライフライン。装備と食料選びにも、工夫する余地はたくさんあります。

なお、北アルプス全山縦走のチャレンジで使用した具体的なアイテムはすべて『北アルプス全山縦走の準備』という記事で公開しています。

北アルプスを歩く登山者【長期縦走】北アルプス全山縦走の計画や装備をまとめる

装備は軽量化と耐久性のバランス

荷物が軽ければそれだけスムーズに歩けますし、体力の消耗も少なくてすむので食料もすこし減らせます。そうするとさらに荷物を軽量化できて…という素晴らしいループをつくることができますよね。

ただし、基本的には軽さと耐久性はトレードオフ。軽ければかるいほど耐久性や快適性は失われていきます。軽さを求めるあまり、縦走中に壊れてしまったら元も子もありませんよね。

たとえば最近は100gを下回るようなレインウェアが開発されていますが、そういう『極端に軽い装備』は長期の縦走には不向きです。

「とにかく軽いアイテムを揃えるぞ!」というよりも、「不要なものを徹底的に削る」というスタンスのほうがいいでしょう。

燃料とバッテリーは多めにもつ

燃料は装備が濡れてしまったときに乾かしたり、寒くてねれないときに湯たんぽを作ったり、もし雪が降ったら水をつくったりと、想定外のときに大活躍するアイテム。

また、バッテリーはスマホをつかううえで欠かせません。これらは、「使う量ギリギリ」ではなくて、余裕をもって用意しておきましょう。

ぼくの場合、燃料はガス缶(小)1つで足りる計算でしたが、時期的なリスクを考慮して、小2つと中3つの計5つを持っていきました。

装備が壊れたときにも対応できるようにする

縦走中に靴や装備が壊れることも想定されますよね。

そんなときになんとかするための装備、たとえばダクトテープやテーピング・瞬間接着剤なども忘れずに用意しておきましょう。

食料はパターン化して軽量化する

食料については、パターン化することで軽量化できます。

たとえば「初日はカレー、2日目はラーメンで3日目は…」と細く決めていくよりも、「毎日夜はラーメン!」みたいにパターンを決めてしまったほうが軽くできますし、現地で迷うこともなくなります。

また、昼については基本的に行動食でまかなうようにしたほうがベター。晴れていればのんびりごはんでもいいですが、時間もかかりますし、天気が悪ければ昼ごはんを食べ損ねることになりますよね。

朝・昼・晩でそれぞれ2-3パターンづつ用意しておけば、飽きもすくなくて快適です。

ぼくの食料計画はこんなかんじ。

  • 朝=フルグラ+スキムミルク
  • 昼A(行動食)=柿ピー+ポテチミックス
  • 昼B(行動食)=ミックスナッツ+小魚
  • 昼C(行動食)=あんぱん
  • 夜=カレーメシ(味でバリエーション)

ゴミがでないようにする

食料を食べ終わったあとのパッケージやゴミも、すべてが『荷物』です。

なので、できる限りゴミが出ないように、パッキングのまえにパッケージを移し替えたり、いらないものを取り除いてしまいましょう。

たとえば先述のカレーメシはパッケージがめちゃくちゃ大きくてかさばりますが、1食分ずつジップロックに移し替えておけばかなりコンパクトになりますし、ゴミも減らすことができます。

また、食べるときにもクッカーには移さず、そのままお湯を注いでつくってジップロックのまま食べてしまいます。こうするとクッカーを汚さないで済むので、ゴミはジップロックだけ。

クッカーをふくためのペーパーも節約できますよね。

気分転換できる装備や食料も持っておく

「不要なものは持つな」と書きましたが、気分転換できるアイテムは用意しておいたほうがいいです。

進めずに停滞したり、疲れたりしたときにはそういうちょっとしたアイテムが効いてきたりします。

ソウジュ

ぼくは文庫本1冊と、おやつとしてチョコレートやベーコンをすこしプラスして持っていきました!

長期縦走での行動のコツ

大滝山のテント場

つぎに、実際に縦走をはじめてからの行動についてコツをまとめました。

装備を濡らさない・乾かす

装備が濡れるといろいろなトラブルが発生します。

  • 重くなる
  • 冷える(保温力が下がる)
  • 肌へのダメージが大きくなる

まずは防水対策をしっかりして「濡らさない」という意識が大事。たとえばレインカバーを使っていても、ひどい雨なら背中側からバックパックのなかまで水浸しになりますよね。

ならば、装備はそれぞれ防水の袋やスタッフサックに入れておいて、「もしバックパックのなかまで浸水しても、装備は濡れない」という状態にしておきましょう。

また、いちど濡れてしまった装備はなるべく早いタイミングで乾かしましょう。晴れた日こそたくさん進みたくなりますが、逆にはやめに行動をやめて濡れたものを干す、といった判断も必要になります。

信頼できる天気予報をこまめにチェック

1日のはじめと終わりには天気予報をチェック。この予報をもとに、「どこまで進むのか」「どうやってパッキングするか」「どのウェアを着るか」といった部分をひとつひとつ決めていきます。

たとえばウェアについても、気温がひくいからといって雨の日に厚手のものを選んでしまうと、それが濡れたらなかなか乾きませんよね。雨なら「濡れてもすぐに乾かせるウェア」を選んだほうが、のちのちプラスになります。

有料ですが、個人的には『ヤマテン』の予報がかなり正確でおすすめです。

行動を終えたら体のケアをする

小屋やテン場についてひと息ついたら、体のケアをしましょう。

『アミノバイタル』などでアミノ酸を補給したり、ストレッチやマッサージをしてできるだけ疲れを体にためないようにする工夫が必要です。

長期縦走はただでさえ体に負担がかかりますし、毎日テント泊をしていれば血流も悪くなりがち。意識的に体をほぐしてあげると、翌日の体の軽さがちがいますよ。

食料は重いものから消費する

食料は重いものを優先して消費しましょう。1日でもはやく軽くすれば、その後の行程が楽になります。

ソウジュ

ぼくはおやつとしてチーカマを持っていったのですが、重かったので最初の3日で全部食べてしまいました

長期縦走でめちゃくちゃ役に立った3つのアイテム

さいごに、縦走でとくに役に立つアイテムを紹介します。基本的な装備以外で、「これは縦走にもっていってよかった!」と思えるアイテムを3つ厳選しました。

皮や指のケアに『プロテクトJ1』

長時間あるいたり、汗や雨で靴が濡れてしまったりときに嫌なのがマメや靴擦れ。痛いですし、無意識にかばってしまうので歩きかたのバランスも崩れてしまいます。また、不衛生な状態がつづくと感染症のリスクもでてきてしまいます。

この『プロテクトJ1』は、皮膚を保護してくれるクリーム。TJARなどの非常にキツいレースでも使われていて、5時間に1回くらい塗り直してあげると、足は本当にトラブルなく歩けます。

ぐちょぐちょの靴で1日半あるいたときも、マメや靴擦れができなかったのには本当にビックリしました。個人的には一番おすすめのアイテム。

マットのバックアップに『極薄マット』

軽量化・コンパクト化のため、マットはエアマットをえらぶことが多くなるはずです。その場合、パンクのリスクが常につきまといます。

マットがなければ、いくら高性能なシュラフを使っていても寒くて安眠できません。

薄いものでいいので、ウレタンマットがひとつあると超安心。したにしけばエアマットのパンクを防げますし、もしエアマットがパンクしてもなんとかやり過ごすことができます。

攣りそうなときに『電解質パウダー』

基本的には攣るまえにしっかりと水や電解質を補給することが大切ですが、長期の縦走ではふだんよりも体の負担がおおきく、予想していないタイミングで攣ってしまう、なんてことが起こります。

そしていちど攣ってしまうと、しばらくはちょっと力をいれるとすぐ攣る、という状態になってしまいますよね。

じっさい、ぼくも急登のおわりで攣りかけて「あ、ヤバいな」というタイミングがありました。そのときに重宝したのが、ショッツのエレクトライトパウダー。水に溶かして飲むタイプの電解質です。

500mLに1本をとかして飲むのですが、そのときは手元にあった200mLくらいの水にとかして半分ほどのみ、そのあとうすめながら何度かにわけて飲んだところ、攣りは解消されてそのまま歩くことができましたし、ぶり返してくることもありませんでした。

攣り対策としていくつか持っておくと心強いです。

まとめ:長期縦走は準備がだいじ!

こうやって振り返ってみると、長期縦走はやはり準備がいちばん大切だと感じます。コンディションや非常事態などを「どれだけ具体的に想定して、備えることができるか」が勝敗をわけるポイント。

しっかりと準備して、充実した縦走を楽しんでください!

ソウジュ

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