【長期縦走】北アルプス全山縦走に挑戦するので計画や装備をまとめてみる

北アルプスを歩く登山者

ここでは、北アルプス全山縦走をするための計画・装備・準備をまとめました。

約1ヶ月にわたる3000峰の縦走計画を目にする機会はあまりないでしょうし、長い山旅になるほど、事前の準備が成功を左右するポイントになってきます。

長期縦走に憧れる登山者は、ぜひ参考にしてみてください!

北アルプス全山縦走の概要

一般的に『北アルプス全山縦走』というと、日本海の親不知をスタートして栂海新道を南下し、後立山連峰・裏銀座・槍穂高をぬけて焼岳あたりをゴールにするパターン(もしくはその逆ルート)が多いようにおもいます。

今回ぼくがチャレンジするのは、さらに常念山脈・雲の平・黒部立山を加えて、「北アルプスの主要なピークをすべて繋いでしまおう」というもの。

稜線がつながっていないところもあるので厳密な『縦走』ではありませんが、約1ヶ月にわたる長大な縦走プランとなりました。

北アルプス縦走の登山地図

縦走のコンセプト

今回の縦走は、『無補給』とか『スピード』とか、そういうことにこだわらずに、『純粋に山をたのしむ』ということを大切にします。

基本的には『単独・テント泊・ノンデポ』というスタイルですが、友人やヤマワカの読者さんにあったらできる範囲で一緒にあるき、ごはんがおいしい山小屋があればメシを食べ、体調が悪ければ山小屋に泊まります。

そして、ビールは山小屋を最大限に利用しようと思います!

ソウジュ

もはやノンデポでもなんでもない…

あまり肩肘はらずに、北アルプスをおもいっきり満喫してきます!

『ノンデポ』って?

道中で装備を補給せず、はじめから最後まですべて担ぐスタイルのこと。

長期の縦走では、事前にルート上の山小屋に預けておいた食料を回収しながらあるくことがあって、これを『デポ』といいます。

『ノンデポ』は「NO デポ」、つまり「デポしない」という意味ですね。

北アルプス全山縦走の具体的な行程・ルート

長期の山行になるほど、実際の山行と計画には『差』がでてきてしまいます。

今回はこの差を減らすため、すべての行程を5つのセクションに分けて計画し、それぞれに予備日を設定しました。

天気や体調で計画通りにいかないことがあるはずですが、セクションごとにだいたい計画通りに動ければオッケー、というかたちです。

具体的な日付は未定ですが、9月のなかばにスタートして10月の上旬にゴールする、27泊28日のプランです。

夏よりも気温は下がりますが、グッと登山者が減り、紅葉のベストシーズンでもあるこの時期。個人的には、一年でいちばん好きなシーズンです。

表銀座・常念山脈セクション

表銀座の登山地図

上高地の登山地図

日程 ルート コースタイム 備考
1 白沢登山口-唐沢岳-餓鬼岳-餓鬼岳小屋 13h 水あり
2 東沢岳-燕岳-大天井岳-西岳-大天荘 16h40min  
3 横通岳-常念岳-蝶ヶ岳-大滝山荘 10h  
4 大滝山-霞沢岳-徳本峠小屋 11h40min 水あり
5 上高地-焼岳-西穂山荘 10h30min  
6 予備日    

白沢登山口から入山し、常念山脈北端の唐沢岳から南端の霞沢岳までをつなぎます。そのあと徳本峠から上高地へくだり、焼岳を登りかえして西穂山荘までのセクションです。

もともとの予定では喜作新道の赤岩岳・中岳はパスするつもりでしたが、『全山』というからにはぜひとも歩きたい、ということで2日目のルートに追加しました。

はじめは荷物がおもいので、全体的にすこし余裕のある行程でプランをくみました。

行程が前後することはあっても、ジャンダルムに備えて西穂山荘でテント泊するのはほぼ確定となりそう。

初めて歩く餓鬼岳がとても楽しみです。

『空身(からみ)』って?

テントなど、すぐに使う可能性のひくい荷物をおいて行動すること。

さきにテントをはってから山頂をめざすときや、数時間以内におなじ場所をとおるとき(うえの写真でいうと『奥穂高岳』と『前穂高岳』のあいだなど)によくやるスタイルです。

槍・穂高セクション

穂高連峰の登山地図

鷲羽岳周辺の登山地図

日程 ルート コースタイム 備考
7 西穂高岳-奥穂高岳-前穂高岳-穂高岳山荘 13h20min ジャンダルム
8 涸沢岳-北穂高岳-南岳-大喰岳-槍ヶ岳-槍ヶ岳山荘 11h 大キレット
9 樅沢岳-弓折岳-抜戸岳-笠ヶ岳-双六小屋 14h20min 水あり
10 双六岳-三俣蓮華岳-高天原山荘 9h 小屋泊
11 水晶岳-赤牛岳-奥黒部ヒュッテ 12h30min 水あり
12 予備日    

穂高連峰を北上して笠ヶ岳を往復し、赤牛岳から読売新道で黒部湖へとくだるセクション。

7日目の前穂のピストン(5h)、9日目の笠ヶ岳ピストン(9h)は空身ですが、まだ荷物が重いタイミングでの『ジャンダルム』・『大キレット』と、今回の縦走で最難関のポイントになりそうです。

『高天原山荘』にはぜひとも泊まってみたいので、ちょっと寄り道。この縦走ではじめての山小屋泊になる予定です。高天原温泉、めちゃくちゃ楽しみです。

黒部・立山セクション

立山周辺の登山地図

日程 ルート コースタイム 備考
13 黒部湖-五色ヶ原キャンプ場 6h30min 平ノ渡で黒部湖をわたる
14 浄土山-立山-別山-劔沢キャンプ場 9h  
15 劔岳-雷鳥沢キャンプ場 8h40min  
16 大日岳-浄土山-五色ヶ原キャンプ場 15h30min 水あり
17 越中沢岳-薬師岳-薬師峠キャンプ場 12h20min 水あり
18 予備日    

黒部湖をわたって五色ヶ原に登り返し、立山・劔を周回して薬師岳方面へと南下するセクション。

立山・劔の周遊は、今回の縦走でいちばん不確定な部分で、天気や体調によってまわる順番を大きく変えるかもしれません。

16日は今回の縦走で最長のコースタイムとなっていますが、半分は空身での山頂往復になります。

このセクションのポイントは、『五色ヶ原』・『劔沢』・『雷鳥沢』などの、北アルプスを代表する名だたるキャンプ場たち。テント泊が大好きな僕にとって、あこがれの地でもあります。

雲の平・裏銀座セクション

雲の平の登山地図

裏銀座の登山地図

日程 ルート コースタイム 備考
19 太郎山-北ノ俣岳-黒部五郎岳-三俣蓮華岳キャンプ場 10h 水あり
20 鷲羽岳-野口五郎岳-烏帽子小屋 8h40min 水あり
21 烏帽子岳-船窪岳-蓮華岳-針ノ木小屋 14h 無理なら船窪の幕営地
22 針ノ木岳-赤沢岳-爺ガ岳-冷池山荘 10h  
23 予備日    

雲の平を反時計まわりにぐるっと回り込んで薬師岳から水晶岳へ抜け、裏銀座を北上して針ノ木岳へと向かうセクション。

このセクションは、全くの未踏地帯なので、どんな山が待っているのか、不安と期待でいっぱいです。

21日目にはかなり長いコースをくんでしまいましたが、そろそろ荷物も軽くなるころなので問題ないでしょう。

後立山・栂海新道セクション

後立山連峰の登山地図

白馬周辺の登山地図

栂海新道の登山地図

日程 ルート コースタイム 備考
24 鹿島槍ヶ岳-五竜岳-唐松岳頂上山荘 12h 八峰キレット
25 唐松岳-鑓ガ岳-杓子岳-白馬岳-雪倉岳避難小屋 10h40min 不帰キレット
26 雪倉岳-朝日岳-栂海山荘 12h30min 小屋泊
27 白鳥山-親不知 9h10min  
28 予備日    

鹿島槍・五竜・白馬と後立山連峰を北上し、栂海新道を経て日本海までを繋ぐセクション。縦走はいよいよ大詰めですが、八峰キレット・不帰キレットと、難所が連続するので気を抜けません。

タイミングさえ合えば、ぜひとも訪れたいのが『白馬鑓温泉』です。

また、個人的にとても楽しみにしているのが、栂海新道(白馬岳から先)の紅葉。ベストシーズンだと思われる10月の上旬にここを通過できるように、日程を調整していきたいですね。

縦走後には日本海にダイブしたくなると思うので、親不知がゴールになるルート設定にしました!

縦走で使う装備と道具

長期の縦走をするうえで大切なのは、『軽さと耐久性のバランス』です。

すべての荷物を背負って歩くことになるので、できる範囲で軽量化をしつつ、長期の使用に耐えれる耐久性も求められるからです。

ソウジュ

まだ決まっていない部分も多いので、おすすめがあれば教えてください!

基本のテント泊装備

アイテム メーカー 商品名 重量(g) 備考
バックパック グレゴリー デナリ75 2640  
登山靴 テクニカ FORGE GTX 1180 熱成形型登山靴
ポール シナノ Folder FP 110 350 超軽量・オールシーズン
テント PAINE G-Light X 1人用 1180  
ぺぐ MSR ニードルステイク 38 9.4g*4本
シュラフ ナンガ UDD BAG 280 550 レギュラー
ヴィヴィ SOL エスケープヴィヴィ 250くらい  
マット NEMO テンサーインシュレーテッド S 265 ショート
バーナー JETBOIL マイクロモ 400 クッカー込み
燃料 JETBOIL ジェットパワー100G 388 194g缶2本
カトラリー sea to summit アルファライトスポーク 9  
ヘッドランプ Petzl タクティカ+ 87 電池込み
ヘルメット マムート ウォールライダー 220  
サンダル ゼロシューズ CLOUD 240 テン場用
合計        

バックパックの候補は次の3つ。

  • デナリ75 or 100(グレゴリー)
  • プロフェット85(ノースフェイス)
  • サウスコル70(マウンテンハードウェア)

冬のテント泊でも使えるシンプルなモデルにするつもりです。最有力候補はデナリですが、防水のサウスコルも魅力的で決めきれません。

ソウジュ

(2018.07.24追記)バックパックは、デナリ75に決定しました!

バーナーはアルコールストーブの方が軽量化できますが、1日300mLの湯沸かしだと燃料込みでジェットボイルに軍配があがります。

シュラフはダウン量が少なめですが、マットが冬用なのでビィビィなしで対応できるはず。また、膝の負担を考えてトレッキングポールを導入します。

登山靴は、がっつりした縦走用のものではなく、今年話題の『熱成形型トレッキングシューズ・フォージ』を投入。レビューも追記予定なので、お楽しみに!

テクニカ・フォージ【レビュー】テクニカ・フォージ:世界初のカスタマイズ登山靴

衣類・ウェア

アイテム メーカー 商品名 重量(g) 備考
ドライレイヤー faintrack スキンメッシュTシャツ 46 汗冷え対策
ベースレイヤーA 未定      
ベースレイヤーB 未定      
パンツA 未定      
パンツB ノースフェイス アルパインライトパンツ 395 稜線用
アンダーソックス faintrack スキンメッシュソックス 34  
ソックス ブリッジデイル サミット 不明×3 予備含む
ウィンドシェル Patagonia フーディニジャケット 102  
ミッドレイヤー Patagonia マイクロパフフーディ 264 化繊
レインウェア Patagonia M10アノラック 202  
レインパンツ 未定      
グローブ フォックスファイヤー 不明 16 防寒用
ビーニー マウンテンハードウェア 不明 70 防寒用
         
合計     1129  

ベースレイヤー、パンツ、レインウェアが未定。

個人的に気になっているのは、ファイントラックのドラウトゼファー。軽くて高耐久とのことなので、今回の縦走にぴったりだと思います。

シーズン的には、ウールもしくは混紡でもいいかもしれません。

パンツは、1本を中厚のアルパインライトパンツにして、もう片方は薄くて軽いものを選ぶつもり。

レインウェアは、3レイヤーで耐久性があってポケットはチェストポケットのみ、というのを探していますが、今のところイイ感じのものは見つかっていません。一番のボトルネックになりそうな予感です。

ソウジュ

(2018.07.24追記)レインウェアはパタゴニアのM10アノラックにしました!

小物・その他

アイテム メーカー 商品名 重量(g) 備考
スマホ apple iPhone7 137 防水
腕時計 プロトレック PRW-S6100Y 75 ソーラー
財布 ジップロック 70 現金・保険証・カード
ライター 不明 不明 18 サッポロッヂのオリジナル
エマージェンシーキット いろいろ 262 テーピング・絆創膏など
歯ブラシ GUM 不明 13  
タオル 未定      
ロールペーパー トイレットペーパー 60 ジップロックに入れる
日焼け止め VIVO アウトドアUV 不明 スティックタイプ
バッテリー 未定      
充電コード 未定     iPhone用
サングラス タレックス 不明 101 ケース込み
ヘッドランプ用予備電池 パナソニック 単4電池×3本 エマージェンシーに同封
地図 旺文社 山と高原地図 127 4冊
コンパス SILVA シルバ No.3 15  
合計     878  

だいたいいつもの装備ですが、財布をジップロックにしたりと、細かい部分で軽量化を狙っています。

『アウトドアUV』というスティックタイプの日焼け止めがあるらしく、ぜひとも使ってみたいと思っています。

予備電池を同封してるとはいえ、エマージェンシーキットが異様に重いので、中身を見直す必要がありそうですね。

食料(28日×3=84食分)

アイテム メーカー 商品名 重量(g) 備考
2000 行動水1.5L+予備水0.5L
水ボトルA プラティパス プラティ2Lボトル 36  
水ボトルB プラティパス ソフトボトル1L 24 予備
ナルゲンボトル ナルゲン 広口ボトル0.5L   行動水用
朝食A カルビー フルグラ   スキムミルクをプラス
朝食B 未定      
行動食A 亀田製菓 柿ピー   いつもの
行動食B 自作 グラノーラバー   マシュマロとフルグラで自作
行動食C ヤマザキ 薄皮あんぱん   最初の3日分
夕食A 日清 カレーメシ    
夕食B 未定      
サプリメントA 大塚製薬 スーパーマルチビタミン   1日1錠
サプリメントB 味の素 アミノバイタル   ここぞというとき用
サプリメントC shotz エレクトロパウダー 4×5 電解質補給に
非常食 shotz エナジージェル 45×5  
合計        

長期縦走の食料はパターン化することで軽量化します。ゴミもすべて持ち歩くことになるので、『軽量・高カロリー・美味しい・ゴミがでない』というポイントで厳選しました。

最近気に入っているのが、カレーメシ。ジップロックに移し替えておくことで、大幅に省スペース化できてゴミも減らせます。

まだ未定の部分も多いですが、燃料を削りたいので、お湯は夕食のみ・1日あたり200mLほどでできるように食材を組み立てていきます。

行動食のグラノーラバーは、フルグラにマシュマロとバターを加えて自作します。具材を追加してカロリーも増やす予定。作り方については別の記事で用意しますね!

場合によっては、ナッツとドライフルーツを混ぜ合わせた自作のトレイルミックスも追加するかもしれません。

出発までに解決するべき課題

現時点で、分かっている課題を洗い出しました。

もし何かいいアイディアやアドバイスがあれば、ぜひ教えてください!

スマホのバッテリーをどう賄うか

いまいちばん気にしているのは、スマホのバッテリーをどうするか、というところ。

基本的には機内モードで写真を撮るのをメインに使うとしても、1日1回くらいは充電できる環境をととのえたいと考えているのですが、さすがに1ヶ月分のモバイルバッテリーを持ち歩くのは非現実的ですよね。

ソーラーパネルやソラーパネル一体型バッテリーなどを考えていますが、実際にどの程度使えるのかが未知数なので決めきれずにいます。

ソウジュ

事前にフィールドテストするしかないかなぁ…

未定の装備をどう決めるか

これはすでに書いた通りですが、まだ未定の装備が多く、予算も考えて選ぶ必要があります。

ミドルレイヤーとしてパタゴニアのマイクロパフが最有力候補ですが、同様に「軽量・コンパクト・暖かい・化繊」という条件を満たすものがあれば教えていただきたいです。

その他、「このアイテム便利だよ」みたいなものがあれば、ぜひ!

編集後記

実は、この『北アルプス全山縦走』というのは、去年の9月をまるまる使ってチャレンジする予定でした。

ですが、その予行演習として狙った約1週間の『南アルプス全山縦走』で膝を痛めてしまい、結局、チャレンジすることすらできませんでした。

当時、僕は毎週のようにテント泊縦走を繰り返していましたが、特にトレーニングといえるようなことは何もしておらず、準備不足だったように思います。

そんな反省を生かして、今回は、冬から準備をしてきました。

12月から毎朝ランニングをこなしつつ、厳冬期の甲斐駒ケ岳(黒戸尾根)日帰り往復など、街・山の両方でフィジカルトレーニングを積んできました。

装備についても、ゼロから見直して、ベストだと思える道具が揃いつつあると感じています。

まだまだ計画・準備段階ですが、すでにワクワクがとまりません。地図を眺めながら、ルートや装備について妄想する時間って楽しいですよね。

色々と考えながら練ってきた計画なので、長期縦走にチャレンジする登山者の参考になれば嬉しいです。

アドバイスはコメント・SNS・メールのどれかで送っていただけると助かります。お待ちしております!

(2018.07.24追記)縦走の核心となる『ジャンダルム』そして『大キレット』を下見がてら縦走してきました!

現地で感じたことをベースに、装備をさらにブラッシュアップしていきますね。

槍ヶ岳と穂高岳ジャンダルムに大キレット!夏の槍穂高を満喫する3泊4日のテント泊縦走
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