プロはここを見る!登山靴とワンタッチアイゼンの『相性』をチェックする4つのポイント

登山靴とアイゼン

「冬季用登山靴とアイゼンには相性の良し悪しがある」と聞いたことはありませんか?

ヨウコ

でも、靴とアイゼンの『相性』ってどうやったら分かるの…?

そんな悩みを解決するべく、登山用品店の先輩(現役山岳ガイド)にチェックポイントを聞いてきたので、ここで紹介します!

これさえ覚えれば、自信をもってアイゼン選びができるようになりますよ。また、アイゼンの微調整にも役立つので、冬山登山をするひとはぜひチェックしてください!

なお、厳密な基準があるわけではないので、「目安としてプロはこんなところをチェックしているよ〜」というお話です。また、相性の差がでやすい『ワンタッチ式12本アイゼンと冬季靴のフィッティング』をメインターゲットとしています。

アイゼンと登山靴のチェックポイント

結論からいきます。チェックポイントは以下のとおり。

  • アイゼンの前爪が登山靴より2センチ以上でていること
  • 前コバとフロントベイルが2センチ以上接していること
  • アイゼンの爪が登山靴の裏におさまっていること
  • 登山靴の後端とアイゼンの後爪が直線上にくること

すべて、アイゼンを登山靴に装着したときのチェックポイントです。ひとつひとつ具体的に説明していきますね。

アイゼンの前爪が登山靴の先から2センチ以上でていること

これは、12本爪アイゼンの最大のメリットである『前爪』がちゃんと機能する状態になっているかどうかをチェックするポイント。短すぎると十分な制動力が確保できません。

アイゼンの前爪

アイゼンを装着したときに、アイゼンの前爪の先端と登山靴先端のあいだ(つまり、使える前爪の長さ)が2センチ以上あることが理想的です。

ヨウコ

1.9センチしかない〜

ソウジュ

あくまで目安の話だから1.9ならダメってわけではないけど、つぎの項目をチェックしてみてね
  • アイゼンのフロントベイルの位置を変える
  • 前爪が短くなっているならば交換を検討する

まずはアイゼンのフィッティングを見直しましょう。

アイゼンのフロントベイル(前コバをひっかける金具)が後ろ気味についている場合、前爪の有効刃長が確保できないことがあります。そんなときはフロントベイルをひとつ前の取り付け穴にずらしてフィッティングを調整してみましょう。

フロントベイルのつけ外し方法はこちらの記事を参考にしてください(記事ではペツルのバサックというモデルをメインに説明していますが、似たような装着方法を採用しているモデルは多いので参考になると思います)。

ペツルのバサックペツルの12本爪アイゼン・バサックをワンタッチからセミワンタッチに交換する

また、何年も使っていて前爪が短くなってしまっているようなら、そろそろ新しいものに交換したほうがいいかもしれません。

前コバとフロントベイルが2センチ以上接していること

登山靴とアイゼンの相性がとくに顕著に現れるポイントです。両者がしっかりとフィットしているかどうかをチェックしましょう。ここが甘いと、使っている最中にアイゼンが外れる可能性があります。

登山靴の前コバ

ちょっと分かりづらいのですが、登山靴の前コバとアイゼンのフロントベイルの接地面積が多いほうがいい、という話です。これは一筆で繋がっている必要はないので、とぎれとぎれでもトータルで2センチ程度の接触面があればOKです。

ここがクリアできない場合はアイゼンの長さを調整してみましょう。とくに、ゆるくハマっているときには、前爪とフロントベイルの接地面は少なくなりがちです。

また、フィッティングを見直してもどうしてもクリアできない場合、登山靴とアイゼンの相性が悪いということなのでちがう靴もしくはアイゼンを選ぶことをおすすめします。

アイゼンの爪が登山靴の靴裏におさまっていること

アイゼンと登山靴の形が合っているかを確認するポイント。すべての爪がキレイに靴裏におさまるのが理想ですが、さすがにそれは稀。とはいえ、あまりにもはみ出した爪があると、木の根や岩・反対足などに引っ掛ける可能性が高くなります。

登山用のアイゼン

アイゼンを装着した状態で、靴を裏返してチェックしましょう。とくにはみ出しやすいのは中央内側の爪(写真のものも若干はみ出ています)。少しぐらいなら問題はありませんが、表にして上から見下ろしたときに靴からはみ出ている場合は気にした方がいいでしょう。

また、これもフィッティングを見直すことで解決できるときがあります。ペツルのバサックなどのモデルでは、アイゼンのセンターバー(真ん中にある棒状の金具)に穴が2列あいているので、その列をずらしてみてください。

登山靴の後端とアイゼンの後爪が直線上にくること

ひとつまえのポイントと似ていますが(そして、それがクリアできていればほとんどの場合は問題ないですが)、とくに下りでの制動力を確保するためのポイントです。理想は、登山靴の後端の延長線のうえにアイゼンの後爪がくること。

アイゼンの後爪

これは、ちゃんとフィッティングすればかなり高確率でドンピシャのポジションになるはずです。

これが明らかにずれている場合、アイゼンのバックレバーを調整すれば解消されることが多いです。アイゼンのバックレバーにも複数の取り付け穴があいているので、位置を変えて調節してみてください。ほとんどのモデルでは、バックレバーの位置は手で簡単に調整することができます。

アイゼンの基本のフィッティンングも忘れずに

アイゼンと登山靴のフィッティングチェックポイントは以上ですが、微調整が終わったら、最後に長さやバックレバーの硬さといった基本的なフィッティングも確認してください。

細かいポイントにこだわった結果、アイゼンがユルユルになってしまったら本末転倒です。

ソウジュ

アイゼンの基本的なフィッティング・つけ方については、また別の記事を用意するつもりですのでもう少々お待ちください!

まとめ・アイゼン選びやフィッティングの微調整に生かそう

細かいポイントですが、これがしっかり押さえられていればアイゼンのフィッティングはOKです。「登山靴とアイゼンの相性」という曖昧な一言が、一気に現実的で具体的な指標になったのではないでしょうか。

これから新しく登山靴とアイゼンを選ぶひと、ちゃんとしたフィッティングができているのか不安なひとは、いまいちど確認してみてくださいね!

また、おなじ靴とアイゼンでも、サイズが違えば合う・合わないが出てくるので、必ず自分のつかう靴とアイゼンでチェックすることをおすすめします。

ヨウコ

もう靴を持っててこれからアイゼンを買うってときは、登山用品店に靴を持ち込んだほうがいいってこと?

ソウジュ

そういうこと!

店員さんも嫌な顔はしないから、遠慮せずに持ち込んでしっかりフィットするアイゼンを選ぼう!

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