登山ウェアの色には意味がある?カラフルな理由を説明します

カラフルなウェアを着た登山者

カラフルな登山の服を見て、「もっと落ち着いた色にしてくれれば、街でも使えて一石二鳥なのに」と感じた方もいるでしょう。

最近でこそモノトーンの落ち着いた色のウェアも見られるようになりましたが、登山用のウェアはやはりカラフルなものが大多数を占めています。

この記事では、「なんで登山用のウェアはカラフルなの?」という疑問を突き詰めていきます。

カラフルなウェアは遭難したときに発見しやすい

登山ウェアがカラフルな理由は、「遭難したときに、救助する側が見つけやすい」ということに尽きます。

消防士やレスキュー隊をイメージすれば分かりますが、「命の危険のある場所で活動するときには視認性の高いウェアを着る」というのは、ひとつのリスクマネジメントなのです。

逆に、モノトーンに代表される視認性の低いカラーのウェアには、「遭難したら見つけてもらえる可能性が下がる」というリスクがあることになります。

実際に、「遭難者が黒いウェアを着ていたために、遠くからみたときには木と見分けがつかなかった」と書かれた発見者の登山記録も残っています。

自然界に存在しない色は目立つ

もうちょっと踏み込んで「遭難とウェアの色」について考えてみましょう。

基本的に、晴れていて視界がクリアなときには、道に迷ったり、足を滑らせたりすることは少ないでしょう。遭難しやすいのは『雨や雪、風や霧が組み合わさって、視界が悪いとき』ではないでしょうか。

登山をしていてそういうコンディションを体験したことのある方は分かると思いますが、基本的に山で「視界が悪い状態」というのは、真っ白か真っ黒、もしくは灰色の3パターンになります。

このことから、白・黒・グレーは風景に溶け込んでしまうので、視認性が低いカラーだと分かりますよね。

逆に、赤・青・オレンジ・ピンクなどの『自然界に存在しない人工色』は目立つと言えるでしょう。だから、登山ウェアはそういう色のものが多いんですよね。

登山用のウェア全てをカラフルにする必要はない

「カラフルなウェアのほうがリスクを下げられる」と言いましたが、個人的には、「靴下から下着まで全てのウェアをカラフルなもので揃える必要はない」と考えています。

具体的にいうと、「アウターとして着るウェアがカラフルであればいい」と思っています。「インナーまでカラフルにしても、結局アウターで隠れてしまうのでほとんど意味がない」というのがその理由です。

先ほども書きましたが、遭難するときは悪天候の可能性が高いです。そういうときには、レインウェアや防寒着などアウターを着ますよね。

なので僕は、アウターとして使うウェアはカラフルなものにして、それ以外のインナーやパンツ類は色にこだわらずに選んでいます。インナーは普段使いもできるので便利ですね。

モノトーンのウェアのほうが儲かる

ここまで読んで、「黒いウェアにリスクがあるなら、そもそも作らなければいいのに…」と思った方もいるかもしれません。

なぜアウトドアメーカーは、登山者にリスクのあるカラー展開をするのでしょうか。実際のところは分かりませんが、おそらく「モノトーンのウェアのほうが儲かるから」だと思います。

アウトドアウェアを買っているのは、僕ら登山者だけではありません。登山用品店で店員をしている経験から言うと、登山で使うためにアウトドアウェアを買っている人はお客さんの半分くらい。

つまり、残りの半分は「街で使うための服」としてアウトドアウェアを選んでいるのです。

そうなると、いろんなファッションに合わせやすい落ち着いたカラーの方がよく売れるので、メーカーとしてもモノトーンのウェアを作った方が儲かりますよね。

だから、「メーカーが登山用のウェアとして黒いジャケットを使ってるんだから、ウェアのカラーなんて気にしなくていい」という意見にはあまり同意できません。

まとめ:ウェアの色も登山のリスクマネジメント

まとめると、以下のようになります。

  • 登山ウェアがカラフルなのは遭難時の視認性をあげるため
  • カラフルなアウターを選ぶことはリスクマネジメントになる

僕が伝えたいのは、「モノトーンのウェアは危険だから選ぶな!」ということではありません。僕ら登山者は、自分の頭で考え、選択して、自分の命を守らなければならない、という話です。

リスクがあることを承知の上でモノトーンのウェアを選ぶのも、カラフルなウェアでリスクマネジメントするのも、登山者ひとりひとりの自由です。

ただ、「なんとなくウェアの色を決めている」という登山者がいるならば、ぜひ知っておいてほしい知識なのです。

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