【復活祈願】パタゴニア・M10アノラックの大好きなところをまとめてみる

パタゴニアのM10アノラック

パタゴニアの『M10アノラック』は、雪山でハードシェルとして使うこともできる、軽さと快適性・そしてシンプルさを突き詰めた美しいレインウェアです。

個人的に大好きなウェアなのですが、なんと廃盤になってしまいました。悲しいので、M10アノラックの良さを知らしめるべく(そしてあわよくば復活してくれることを願って)、その使い心地をレビューしていこうと思います。

ちなみに廃盤ではありますが、アウトレットなどでたまーに見かけるのでサイズさえ合えばまだ購入することはできますよ。

M10アノラックは登山用レインウェアの傑作

『傑作』という言葉に負けない、本当に非の打ち所がないレインウェアだと思います。考え、計算し尽くされたシンプルさが行き着いたのは『アノラック』という形。ジャケットタイプのレインウェアがおおいなか、いろんな意味で異彩を放ったウェアでした。

そんなM10アノラックのいいところと欠点は以下のとおり。

シンプルで美しい

肌触りサラサラの生地

ミニマルでありながら細部に宿るこだわり

値段が高い

のっけから「?」と思うような文言が並んでしまいましたが、それぞれ見ていきましょう。

シンプルであり美しい

まず特筆すべきは、その洗練されたデザイン。

ファスナーの重さを削ったアノラック型で、ポケットは左胸のナポレオンポケットひとつだけ。さらに袖口はゴム絞りで、ベルクロすらも省いてしまうという徹底ぶり。結果、202gという非常に軽量なレインウェアに仕上がっています。

たしかに今では100gを切るレインウェアもあることにはありますが、ハードシェルとして使えるモノで200gというのは最軽量クラスと言えるでしょう。

かさばるファスナーが少ない分、収納もスッキリとコンパクト。くるくる丸めてフードに収納しています。

パタゴニアのM10アノラック

M10アノラックの袖口

一見「使いづらそう」と思ってしまうほどにミニマルなデザインですが、よく見るとそれが「計算し尽くされたシンプルさ」であることが分かります。

素材はこの手のミニマルなシェルにありがちな2.5レイヤーのペナペナなものではなく、チンガードなど細部も抜かりありません。もちろん、フードはヘルメット対応です。

M10アノラックの襟元

ちなみにチンガードの裏側の裏地も省かれていて(フリースの裏地がつけられていることが多いですが、濡れると乾きづらい)、余計なものは文字どおりひとつもないのかも。

M10アノラックの襟元

美しくても使い勝手が悪ければしょうもないのですが、ところがどっこい、とっても使いやすいんですよね。

まずアノラックという点ですが、たしかに一般的なジャケットよりは脱ぎ着はしずらいです。とはいえレインウェアの着脱のときにはザックを下ろさないといけないのは変わらないですし、頭からズボッとかぶるだけなので大差ないというのが感想です。

そして、いったん着てしまえばお腹や裾まわりに邪魔なものがないのでスッキリとして快適。シルエットがスリムなので生地のダボつきもありませんし、ファスナーを下げればみぞおちの下あたりまで開くので換気もバッチリです。

また、「胸ポケットひとつだけ」「袖口のベルクロなし」という点についても、個人的には大賛成。

M10アノラックのナポレオンポケット

この際だから言ってしまいますが、レインウェアのハンドウォーマーポケット(手を入れられるところについてるポケット)ってなにに使うんでしょうか。お腹まわりがゴソゴソするだけだし、ザックのウェストベルトを閉めてしまえばポケットの意味をなさなくなってしまいます。

袖口にしたって、ベルクロなら雨水をシャットアウトできるというわけでもないですし、むしろマジックテープを調節する手間がありますよね。

全体として『必要十分』をきっちりと満たしていて、シンプルさと機能性をバランスよく両立しているのがM10アノラックの美しさです。

サラサラの3レイヤーのH2No防水素材

M10アノラックの裏地

パタゴニアの防水素材H2No

先ほどチラッと触れましたが、M10アノラックの生地は3レイヤー。防水素材として、パタゴニアの独自素材である『H2No』が使われています。

そして、軽量レインウェアにあるまじきサラサラの肌触りを実現しています。例えるなら、絹のようななめらかさとは違った、どちらかというと和紙のようなカラッと乾いたサラサラ感。

触っていて心地いいレインウェアなんてそうそうお目にかかれないので、個人的にこれがかなりツボ。生地自体は決して厚いわけではないのですが、ハリのある生地がこれだけの肌触りの良さを実現しているんだと思います。

ちなみにH2Noの防水性については、同社の『クラウドリッジジャケット』で検証した結果、個人的にはまったく問題がないという結論に至っています(ただ、厳密にいうと『H2No』というのは素材ではなく『防水基準』なので、クラウドリッジとM10アノラックでは違う素材が使われている可能性があります)。

ファスナー、縫製、シームテープ…細部に宿る使い心地の良さ

シンプルなので「これがすごい!」みたいな機能があるわけではないんですが、ディティールがめちゃくちゃ凝って作られていて、それもM10アノラックの特徴だと思います。

ストレスフリーなビスロンファスナーを採用

一般的にレインウェアのファスナーといって頭に浮かぶのは、いかにも水を防いでくれそうなビジュアルの『止水ファスナー』だと思います。

レインパンツのサイドジッパー

こういうの。

でも、止水ファスナーって開閉しづらいと思ったことはありませんか?それに、クセがあるのでどうしてもしなやかな生地に追従しきれません。

M10アノラックのビスロンファスナー

その点、M10アノラックに採用されているのは『ビスロンファスナー』で、開閉しやすく、またしなやかに曲がるのでストレスもありません。そしてもちろん、防水です。

ソウジュ

M10アノラックは、中央のファスナーが『ビスロン』、ナポレオンポケットのファスナーには『止水ファスナー』が使われてます!

極細のシームで縫い目が気にならない

M10アノラックの縫製

縫い目の裏側につけて防水性をあげる『シームテープ』も、とても細いものが使われています。結果として、縫い目がほとんど気にならないレベルに仕上がっています。

背中・肩に縫い目のない縫製

M10アノラックの背中側

また、もっとも負荷のかかる背中や肩には縫い目がこないようにデザインされています。シームテープを施すとはいえ、縫い目があれば浸水や破けの原因になるので、本当は縫い目がないのが理想といえます。

さすがにこういった細かい点は、使っていてその効果をしみじみと実感するようなものではないのですが、シンプルでありつつも細部に行き届いたこだわりにとても愛着を感じてしまうのです。

唯一のデメリットは値段が高いこと

M10アノラックの唯一とも言えるデメリットは、値段が高いこと。定価で50000円オーバーと、ちょっと手が出しづらい価格帯になっています。

とはいえ、現在は廃盤なので在庫はほぼほぼ特価になっていますし、これだけ細部にこだわればそのくらいの値段がかかってもおかしくないよな、とも思います。

ソウジュ

ちなみにぼくはアウトレットで35000円ほどで購入したものを使っています!

まとめ・これぞ機能美。ぜひ復活してほしい

まとめると、シンプルさを求めるひとにとってはこれ以上ないレインウェアだと思います。

登山用品は『道具』ですが、ここまで完成度が高いと愛着がわいてきてしまって、実際、雨の日でも着られるのが嬉しく感じるほど。こんなプロダクトはなかなかないよなぁと思いつつも、これからもこういう『お気に入り』を探し求めていきたいなと思っています。

…という、ただただM10アノラックへの愛を語る記事になってしまいましたが、もしどこかで見かけることがあれば、ぜひぜひ触ってみてください。きっとその完成度の高さに心を奪われると思いますよ。

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