ここでは、地形図とコンパスによるナビゲーション、『読図(どくず)』の方法を解説していきます。
読図をするには、まず地形図とコンパスを用意する必要があります。本記事では、準備編として、地形図とコンパスの準備のしかたをチェックしていきましょう!
ソウジュ

読図の準備に必要なもの
まずは必要なアイテムを揃えましょう。必須アイテムは以下のとおり。
- コンパス
- 地形図
- ボールペン(赤ペン)
- 定規
おすすめも含めながら、それぞれ説明していきますね。
登山専門のコンパス
まずコンパスですが、プレートのついた登山用のものが必要です。
ヨウコ
ソウジュ
予算的には2000-3000円が目安です。SILVA(シルバ)というメーカーのものが定番で、ぼくはSILVAのNo.3を使ってます!
国土地理院の地形図
つぎに地形図です。地形図は、国土地理院の発行している25000分の1のものを用意してください。『山と高原地図』とは違うので注意してくださいね。
好日山荘や石井スポーツなどの登山専門店には必ず置いてあります。大型書店でも手に入るときがありますね。「25000分の1の地形図」と言えば通じるはずです。値段は1枚400円ほど。
どこの地形図を買うべきかについては、どこでも大丈夫です。迷ったひとは
- よくいく山域周辺のもの
- 家のまわりのもの
- つぎに行く予定の山のもの
から選ぶのがおすすめです。ただし、都市部に住んでいて家のまわりが真っ平らで地形的に変化がない、という場合は自宅周辺は避けた方がいいかもしれません。
ペンと定規
さいごにペンと定規です。ペンの色はなんでもいいのですが、目立つ色がいいので赤がおすすめ。濡れることもあるので油性のものがいいですね。
定規は磁北線をひくのに使うので、長いものがあると便利です。選べるのであれば、長さ50センチ・幅4センチほどのものがおすすめです。
ソウジュ
地形図に磁北線をひこう
必要なものを揃えたら、こんどは地形図に磁北線をひいていきましょう。磁北線をひくのはけっこう面倒なんですが、これを基準にコンパスで方向を決めるのでがんばりましょう!
ソウジュ
まず、地形図の枠外に注目してください。『西偏〜度〜分』という記載がありますよね?この数値は、「北方向とのズレ」を表しています。写真だと『西偏9°30’』となっているので、この地形図は北から西に9度30分ズレているということになります。
このズレを修正するための線が『磁北線』なんですね。
ヨウコ
ソウジュ
以下の表をつかって、西偏の値に対応する数字を確認しましょう。この地形図の場合、西偏9度30分なので「3.35」になります。ちなみに、この数値は地形図1枚いちまい違う値になるので、磁北線をひくときにはしっかり確認してくださいね。
角度 | 0分 | 10分 | 20分 | 30分 | 40分 | 50分 |
---|---|---|---|---|---|---|
3度 | 1.05 | 1.11 | 1.16 | 1.22 | 1.28 | 1.34 |
4度 | 1.40 | 1.46 | 1.52 | 1.57 | 1.63 | 1.69 |
5度 | 1.75 | 1.81 | 1.87 | 1.93 | 1.98 | 2.04 |
6度 | 2.10 | 2.16 | 2.22 | 2.28 | 2.34 | 2.40 |
7度 | 2.46 | 2.51 | 2.57 | 2.63 | 2.69 | 2.75 |
8度 | 2.81 | 2.87 | 2.93 | 2.99 | 3.05 | 3.11 |
9度 | 3.17 | 3.23 | 3.29 | 3.35 | 3.41 | 3.47 |
10度 | 3.53 | 3.59 | 3.65 | 3.71 | 3.77 | 3.83 |
数値が分かったら、地形図の『右上』の角から、その数値ぶん左にずれたところに印をつけましょう。
そして、おなじく『右上』から、こんどは20センチ下に印をつけ、ふたつの印をつないでください(赤ペンがなく、青でひいてます)。
これが『磁北線』です!おめでとうございます!
ここまでできたら、あとはこの『磁北線』と平行に線を引いていけばオッケーです。間隔はできれば4センチ前後がいいですが、そこまでこだわらなくても大丈夫です。定規をズラしながらどんどん平行線を引いてください。
全体に引けたら、このステップは完成です!
地形図を折って使いやすくしよう
さいごに、地形図をおりたたんで、持ち運んだり見たりしやすい状態にしましょう。
まず、地図のフチにそって4辺を山折りにしていきます。
4辺が折れたら角の部分をひらいて、つぎの写真のように折り線と重なるように折りこみます。
これを4つの角をそれぞれ折ったあと、折り目にしたがって辺も折り込みます。
表にするとこんな感じ。
縦方向に4つ折り・横方向に半分にしたら完成です!
地形図は雨に弱いので、山に持って行くときにはジップロックやマップケースにいれておくのがおすすめです。サイズは好みがあると思うので、必要におうじて調節してください。
まとめ・これで読図の準備は万端!
ここまでくれば、読図の準備は万端です。さいごにもう一度、必要なものをおさらいしておきましょう。
- 国土地理院の25000分の1の地形図…磁北線をひく
- コンパス…登山専用のもの
- 定規…磁北線をひくときに使う
- ペン…磁北線をひくときに使う
つぎは、基礎編として「地形図と登山用コンパスの基本的な使い方」をご紹介します。乞うご期待!

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