初めて登山をする人は、「装備は揃えたし計画も作ったけど、ほかに何か気をつけることはないの?」と不安になりますよね。
ここでは、登山の基礎知識のなかから「とりあえずここだけ押さえておいて!」というポイントを厳選してまとめました。ここに書いてあることをしっかりと押さえておけば、初めてでも落ち着いて登山ができるはずです。
目次
知っておきたい登山の基礎知識まとめ
全体像はこんな感じ。
登山の基礎知識
- 朝登って午後には下山する
- 登山中の濡れは大敵
登山のマナー
- ゴミは持ち帰る
- トイレは山小屋もしくは登山道を避けて
- 他の登山者には挨拶をしよう
- すれ違いは登りが優先
山でバテない歩き方のコツ
- まずは準備運動から
- 足はフラット着地が基本
- 小股でゆっくり歩く
- 50分歩いたら10分休憩する
- 水と行動食はこまめに摂る
知っておくべき登山のリスク
- 野生動物との遭遇
- 滑落や転倒による怪我
- 登山道が分からなくなる道迷い
- 体が冷えて動かなくなる『低体温症』
- 登山届もリスクマネジメント
ソウジュ
登山の基礎知識
まずは、知識として知っておきたいことを2点。
朝登って午後には下山する
登山は『早出早着(朝早く歩き始めて、午後早めには行動を終了する)』が基本です。遅くとも朝10時には歩き始めて、15時には下山できるように行動しましょう。
これは、午後は天気が崩れやすいので午前中に行動しよう、という考えに基づいています。
登山中の濡れは大敵
登山用のウェアって、種類がたくさんあってややこしいですよね(ひとまず、運動できる服装で代用可能です)。そもそもなぜこんな色々なウェアがあるかというと、それは「登山中に体を濡らさないため」なんです。
体が濡れると体温が急速に奪われて、『低体温症(詳しくはのちほど説明します)』になる可能性が高くなります。
蒸し暑い夏の低山であればあまり気にしなくてもいいですが、基本的に登山では「濡れは避ける」ようにしてください。雨による濡れはもちろん、汗でビチョビチョになるのもNGです。
暑ければこまめに服を調節して、汗だくにならないように登りましょう。
登山のマナー
気持ちよく登山をするために、山にも『マナー』があります。
ゴミは持ち帰る
基本中の基本ですが、登山中にでたゴミ(ティッシュや食べ物の包装など)は全て持ち帰ります。ゴミをまとめておく小さなビニール袋を用意しておくと便利ですね。
トイレは山小屋もしくは登山道を避けて
山にはトイレがありません。近くに山小屋がある場合は有料(1回100〜200円)で利用できますが、ない場合は登山道を外れた場所ですることになります。
登山口でトイレを済ませておくのはもちろんですが、普段からよくトイレにいく人はウェットティッシュや携帯トイレを用意しておいた方がいいでしょう。また、拭いたあとのティッシュなどのゴミも持ち帰りましょう。
他の登山者には挨拶しよう
他の登山者に会ったら、「こんにちは」など簡単な挨拶をするようにしましょう。
ソウジュ
すれ違いは登りが優先
登山道は、基本的に狭いです。どちらかが避けないとすれ違えないような場所では、お互いに譲り合って通過することになります。
基本的には登りが優先(下りの人が道を譲る)ですが、場合によっては登りの人が「どうぞ」と避けてくれることもあるので、臨機応変にいきましょう。
また、避けるときは山側に避けるようにしましょう。谷側に避けた場合、すれ違いざまにぶつかられたら滑落してしまいますよね。
速い人には道を譲る
すれ違いだけではありません。同じ登りでも、後ろから歩くペースの速い登山者がきた場合は道を譲りましょう。
とくに集団で登山をしているときは列の前のほうのメンバーは気づかないことが多いので、メンバー同士で声を掛け合ってスムーズに追い越しできるようにしてあげましょう。
山でバテない歩き方のコツ
初めて登山をする人は、いつも通りに歩くとバテてしまいます。山での歩き方を意識して登りましょう。
まずは準備運動から
ワクワクする気持ちは分かりますが、一旦落ち着いて。
登山口についたら、トイレを済ませて準備運動とストレッチをしましょう。歩き始めるのはその後です。
足はフラット着地
普段はカカトで着地してつま先で蹴り出す歩き方をしていると思いますが、登山では着地も歩き出しも『フラット』が基本です。
ヨウコ
ソウジュ
慣れないうちは難しいかもしれませんが、これができるとバテずに歩くことができます。
小股でゆっくり歩く
もうひとつのコツは、小股でゆっくり歩くこと。
大股で歩くと脚に大きな負担がかかるので、重心を滑らかに移動させていくような小股歩行を心がけましょう。「疲れてきたな」と感じたら意識的に小股にするのも効果的。
歩くペースはゆっくり、登山開始から下山まで一定のペースで歩けるのが理想です。
50分歩いたら10分ほど休憩する
休憩の目安は50分の歩行で10分。登山道が広くなっていて、危険の少ない場所で休憩するようにしましょう。
水と行動食はこまめに摂る
トイレに行きたくなるので水を飲みたがらない人もいますが、水分はこまめに補給してください。水分が不足すると、体温調節機能がおちたり、血液がドロドロになって詰まったりします。
また、行動食は1時間〜2時間おきに摂るのが基本です。行動中や休憩のときにサッと食べて、エネルギーを切らさないようにします。
ソウジュ
知っておくべき登山のリスク
脅かすわけではないですが、登山にはリスクが伴います。自分の命を守るためにも、リスクマネジメントは登山者の基本ですね。
野生動物との遭遇
特に注意したいのが、クマです。毎年、クマとの遭遇による事故が起きています。
クマ鈴やクマスプレーの携帯が基本的な対策になります。
滑落や転倒による怪我
標高1000mもない低山でも、足を滑らせたりバランスを崩せば大怪我をします。登山道をよく見て、危険箇所は特に慎重に通過しましょう。
ソウジュ
登山道が分からなくなる道迷い
遭難の原因トップといわれるのが『道迷い』です。
- 地図アプリに地図をダウンロードしておく
- 地図アプリでこまめに現在地を確認する
- 天気が悪い日の登山は控える
基本的にはこの3点で道迷いは回避できるでしょう。
体が冷えて動かなくなる『低体温症』
低体温症になると、思考が正常に働くなったり体が動かなくなったりして、遭難に直結します。そして、低体温症は夏でも発生します。
- 体を濡らさない
- 体を冷やさない
の2点を常に頭にいれておきましょう。
登山届(登山計画書)でリスクマネジメントを
登山のリスクを紹介してきましたが、注意していても遭難してしまう可能性は残ります。そんなときの最後の砦となるのが、『登山届』です。具体的には、登山計画書を所轄の警察署や登山口のポストに投函すること。
これをやっておくと、もし遭難してしまったときに、発見してもらえる可能性が上がります(そもそも登山届を出さないと、遭難したことすら分からないですよね)。
『コンパス』というサービスを使えば、オンラインで簡単に作成・提出できるので、山に入るときは必ず出すようにしましょう。
まとめ:ポイントを押さえて楽しい登山を
登山では色々な知識が必要になりますが、今回は「とりあえず最低限のもの」を厳選して紹介してきました。最初は戸惑うかもしれませんが、どれも大切なものばかりなので、ひとつずつ着実に身につけていきましょう!
さて、この記事で「登山の始め方」についての講座は終了です。「初めての登山」、気をつけて楽しんできてください!
分からない点や質問があれば、メール・SNS・記事下のコメントにて、お気軽にご連絡ください。
この講座のトップに戻る

コメントを残す