ここでは、登山の計画を立てるときのポイントをまとめていきます。
今まで登山の計画をたてたことがない初心者ほど、どうやって計画をたてればいいのか迷うし、時間がかかりますよね。
そんな悩みを解決するために、「登山計画のたて方」を3つのステップに分解して説明していきます。
このステップを順番にたどるだけで、初めて登山をする人でも、簡単に登山の計画がたてられるようになります。
目次
登山計画をつくる3つのステップ
「登山計画」ときくと難しそうに感じますが、実際にやっているのはこの3ステップ。
① メンバーと日程を決める
誰と、いつ登山をするか?
② 登る山・ルートを決める
どの山に、どんなルートで登るか?
③ 交通手段を確保する
登山口までどうやって行き、帰ってくるか?
ソウジュ
それでは、ひとつずつ具体的に説明していきます。
メンバーと日程を決める
先に行き先(登る山)を決めてしまってもいいのですが、はじめにメンバーと日程を決めてしまうことのメリットがあります。
それは、目的地となる山をある程度絞り込めること。
山は数え切れないほどたくさんありますが、季節やスケジュール、そして一緒に歩くメンバーの体力を考慮すれば、候補をある程度絞ることができる、というわけです。
知らない人との登山は避けよう
まずはメンバーを決めましょう。ひとりで登ってもいいですし、友達や家族と登ってもいいでしょう。理想的なのは、すでに登山をしている人と一緒に行くことです。
最近増えているのは、ネットを通じて知り合った人と一緒に登るパターン。
実際に会ったことがなくても、知人の紹介やSNSで相手がどんな人なのか知っていればいいのですが、「当日までどんな人がいるのか分からない団体登山」というのは避けた方がいいでしょう。
まずは日帰り登山から始めよう
次に、日程です。
登山のシーズンについて話をすると、初めての登山におすすめなのは6月から10月ごろ。雪や凍結の心配が少なく、装備も必要最低限で登ることができるシーズンです。
ヨウコ
ソウジュ
日程については、休みがとりやすい土日が中心になるかと思いますが、まずは「日帰り」で計画をたてていきましょう!
何度か日帰り登山をして登山に慣れてから、泊まりを含んだ登山にチャレンジするのがおすすめです。
冬でも登山はできる?
一言で言えば、1年を通して登山することができます。
標高が低くて雪が降らない山であれば冬でも基本装備+αで登ることができますし、豪雪に閉ざされる標高の高い山でも、装備や技術があれば登山は可能です(『雪山登山』というジャンルになります)。
登る山とルートを決める
メンバーと日程が決まったら、登る山とルートを決めていきましょう!
ヨウコ
ソウジュ
登る山は「調べる」のが基本
いきなり「どこに登るか決めろ」なんて言われても、なにから始めたらいいのか分からないですよね。山を探すときの基本的な方法はこちらの4つ。
① グーグルで検索する
「関東 登山 おすすめ」などでググる
② 百名山から選ぶ
百名山は有名で登山道も整備されていることが多いので、初心者にもおすすめ
③ ガイドブックや登山雑誌を見る
登山雑誌には、シーズンに合わせたおすすめの山が特集されていることが多いです
④ 登山好きな知り合いに聞く
知り合いの登山者がいれば「初心者におすすめの山を教えて!」と聞くとたくさん教えてくれるでしょう
目安として、はじめは2000m以下の山を選ぶのがおすすめです。
3000m級(3776mの富士山をはじめとして、3000m以上の山は国内には21座あります)の山々は気象条件も厳しいので、装備をしっかり揃えてからチャレンジした方がいいでしょう。
『百名山』って?
深田久弥という登山家が名山として選んだ日本の100の山々。詳しくは著書『日本百名山』をチェック!
登山ルートは実際に地図を見ながら選ぼう
登ってみたい山をいくつかピックアップしたら、登山ルートを決めていきましょう。このステップは、『山と高原地図』という登山地図を見ながら進めるのがおすすめです。
ソウジュ
① アクセスのしやすさ
登山口までのアクセス手段はあるか?
② コースタイム(下山までにかかる標準的な時間)が5時間以内
下山まで5時間以内を基本にして、メンバーの体力を考慮したルートを選びましょう
登山では『早出早着』といって、朝早く登りはじめて午後早めに下山するのが基本。遅くとも10時には登りはじめて、16時には下山完了できるようなスケジュールを組みましょう!
ヨウコ
ソウジュ
通るルートに設定されたコースタイムを合計して、「登り始めから下山までにかかる時間」を計算するようにしましょう。コースタイムには休憩の時間は含まれていないので、少しゆとりのあるルートがおすすめです。
「いきたい山は見つけたけど、コースタイムが長すぎる」ということもあるかと思いますが、そういう山は将来の目標として残しておきましょう。
ソウジュ
天気予報と現地の情報もチェックしよう
せっかく良さげなルートが見つかっても、天気が悪かったり、登山道が崩落していたりすることがあります。天気予報と現地の情報のチェックは入念に。
慣れないうちは、雨予報なら中止するか、行き先を変更した方がいいでしょう。
ソウジュ
現地の情報についても、「山の名前 登山道」などで検索して最新情報をチェックするようにしましょう。また、こういう情報はツイッターやインスタなどSNSで探したほうが早いときもありますね。
交通手段を確保する
目的地が決まったら、交通手段を確保しましょう!行き先やアクセスに応じて最適な組み合わせを考えます。
マイカー
行き先も時間も自由
運転が疲れる
レンタカー
行き先が自由。
返却時間の制約が大きい。運転が疲れる
バスや電車
乗っているだけなので楽。
時間と目的地の制約が大きい
タクシー
非常に楽
高い
自転車や徒歩
自由
時間がかかる、疲れる
場所によっては駅から徒歩で登山できたり、都内から登山口までの夜行バス(『毎日アルペン号』など)があったりします。また、マイカー規制で登山口までいけない山もあるので注意しましょう。
ソウジュ
『コンパス』で登山計画書を提出しよう
さて、『登山計画』は完成しましたか?完成したら、登山計画書を作りましょう!
『登山計画書』って?
「こういう日程・ルートで、登山しますよ〜」という登山の計画を書いたもので、事前に所轄の警察署に提出する。
事故があった場合の捜索の手がかりとなるので、必ず提出する癖をつけよう。
ヨウコ
ソウジュ
「警察への提出」などめんどくさそうなイメージが強い登山計画書ですが、『コンパス』を使えば、作った計画をオンラインで入力するだけで完了です。
ひとつずつ順に埋めていけば提出できるので安心してください。慣れれば2-3分で登山計画書が出せるようになりますよ。
コンパス〜山と自然ネットワーク〜
まとめ:登山は少しずつステップアップしていくもの
調べるうちに「登ってみたい山」が見つかることもありますが、登山は「無理せずに少しずつステップアップ」していくことが大切です。
雨でも突っ込むとか、いきなり3000m峰にトライするのではなくて、「ミスってもなんとかなる場所」で少しずつ経験を積むことが、最終的には「登りたい山」への近道になります。
最後に、おさらいとして紹介したことをまとめておきます。登山計画といっても旅行と同じなので、気負わずにやってみてください!
① メンバーと日程を決める
- まずは『日帰り』から
- 知らない人との登山は避ける
② 登る山とルートを決める
- 『YAMAP』『山と高原地図』を使おう
- 登る山は調べて探す
- コースタイムとアクセスでルートを決める
- 天気が悪ければ中止する
- 現地の情報も要チェック
③ 交通手段を確保する
- 行き先に最適な手段を選ぶ
- 必要なら予約を忘れずに
- 『毎日アルペン号』などの登山者用の交通機関も要チェック
④ 登山計画書を提出する
- 『コンパス』でのオンライン提出が便利
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