絶景の北アルプス・裏銀座と表銀座を3泊4日でテント泊縦走してきた

三ツ岳の稜線

2018年8月18日-21日で北アルプスの裏銀座と表銀座を縦走してきたので、その様子をレポートします。

北アルプス屈指の縦走路を、テントを背負って歩いてきましたよ!

裏銀座・表銀座テント泊縦走プラン

まずは今回の縦走プランについて。

高瀬ダムから入山して烏帽子岳から槍ヶ岳まで縦走し、そのまま大天井岳・燕岳へとぬけて中房温泉に下山するプランです。

裏銀座と表銀座の地図

『表銀座』・『裏銀座』って?

北アルプスを代表する縦走ルートで、とても人気のある鉄板の縦走路。

どちらも『槍ヶ岳』をめざすコースで、燕岳から大天井岳・西岳をぬけて槍ヶ岳の東の稜線をたどるルートを『表銀座』、烏帽子岳から野口五郎岳や鷲羽岳・双六岳をこえて西側から槍ヶ岳へいたるルートが『裏銀座』とよばれています。

「表銀座縦走」とか「裏銀座縦走」としてどちらか片方をたどるのが一般的ですが、今回はいちどに両方を味ってしまおう、という贅沢プラン。

ちなみに、どちらも槍ヶ岳へぬけるのが一般的なので、今回あるいた槍ヶ岳〜燕岳のあいだは「表銀座の逆走ルート」ということになります。

ソウジュ

ほんとは、槍ヶ岳〜上高地まで歩きたくなかっただけなんですよね(先月の『槍穂高縦走』で嫌になりました)…

3泊4日すべてテント泊で、ヤマワカのデザイン担当のヨウコとふたりでの山旅となりました。

高瀬ダムから北アルプスの稜線へ

初日は、大町市の高瀬ダムから「ブナ立尾根」をのぼって烏帽子岳まで。

信濃大町駅から高瀬ダムへ

まずは、今回の山旅の起点となる信濃大町駅へ。

運よく、特定日運行の『ムーンライト信州』にのることができて、朝5時すぎには信濃大町駅へつくことができました。

『高瀬ダム』へはタクシーでアクセスします(マイカー規制あり)。運賃が片道だいたい8500円。

ソウジュ

高い…

ということで事前にツイッターで募集したり駅で声をかけたりしたのですが、同行者は見つからず、結局ふたりで乗ることになりました。

ソウジュ

ちなみに今回は『アルプス第一交通(0261-22-2121)』に予約をしておきました!

とちゅうの『七倉』からマイカー組がふたり相乗りしてくれたので、信濃大町〜七倉の6300円+七倉〜高瀬の1100円で7400円(ふたり分)と、少しだけおトクに登山口までたどりつくことができました。

しらべたところ、『七倉山荘』にテント泊すれば宿泊費・温泉代・七倉までの運賃がコミコミで3000円ちょっとになるとのこと(高瀬ダムまでのタクシーは+2200円/人数)で、これが最安値でアプローチする手段になりそうです。

高瀬ダムからブナ立尾根を登る

高瀬ダム

高瀬ダムから歩きはじめたのが朝6時前。

台風が過ぎて素晴らしい天気にめぐまれたタイミングでしたが、グッと気温が下がって秋の気配を感じます。短パンではかなり寒いコンディション。

しばらく平坦なみちをあるいて、ブナ立尾根の登り口にやってきました。

ブナ立尾根登山口

標識の『裏銀座』の文字にワクワクが高まりますね!

ここ、ブナ立尾根は『北アルプス三大急登』のひとつ。出だしからなかなか急な斜面が連続しますが、こまかいつづら折りであまりキツさは感じません。

ブナ立尾根をのぼる登山者

ちなみに、ブナ立尾根の道しるべには1〜12までの番号がついています。今日のゴールとなる『烏帽子小屋』を0番として、登山口まで順に12番まで。

つまり、この番号が0になるまで登れば、ブナ立尾根はクリアというかたちです。

大きな段差があったりと楽な道ではありませんが、一気に標高を稼げるのはいいところ。

8番を過ぎたあたりから、樹林帯の切れ間からチラチラと白い崩落地と稜線が見えてくるので、それをはげみにがんばりましょう。

船窪岳周辺

道は狭いですが、道しるべのあるポイントはひらけていて休憩もできますし、今日は烏帽子小屋まで行くだけなので焦る必要もありません。

てきとうに休憩をはさみつつ、順調に高度を上げていきます。

自作したエナジーバー

今回は『自作したエナジーバー』を持ってきました!

自宅では甘すぎるかもと思いましたが、行動中はこのくらいでちょうどよく、ペロリと食べてしまいました。

ヨウコ

コレ、美味しい〜!

ヨウコさんにも高評価をいただきました。

最後はなだらかな道もふえて、3時間半ほどで烏帽子小屋に到着です。

三ツ岳の稜線

ふりかえってみると、キツかったのは出だしの12〜10番あたりまでで、4番以降はチラホラと平らなところもあって歩きやすいかな、という感想です。

烏帽子小屋にテントを張って、烏帽子岳の山頂へ

このあと烏帽子岳までいくのですが、予想よりもだいぶ早く着いてしまったので、先にテントを張ってしまいましょう。

烏帽子小屋のテント場は、登山道に沿って小さめのサイトがポツポツとあるかんじ。この時間(9時半)なので、小屋に近いところから池のほとりまで、サイトのロケーションも選び放題です。

烏帽子岳のテント場

あまり池に近いと虫が多そうなので、すこし高くなっていて池を見渡せるサイトにテントを張りました。

しばらく休憩したら、烏帽子岳へと向かいます。

烏帽子小屋から見えるピークはじつは『前烏帽子岳』で、烏帽子岳の山頂ではありません。燕岳みたいな白砂の稜線を歩いて15分ほどで前烏帽子岳につきました。

ここから視界が一気にひらけて、ダイナミックな風景にテンションがあがります。

北アルプスの烏帽子岳

目の前には烏帽子岳のピーク、針ノ木岳の威容と立山のドッシリした山塊。その稜線をたどると、平らな五色ヶ原、さらには薬師岳。

あこがれの山々がたくさん見えました。

烏帽子岳の山頂は名前のとおりクライミングが必要にみえる尖った大岩ですが、ルートはしっかり整備されているので、3点支持ができれば問題なくのぼれます。

ここで、寝不足でつかれたぼくたちは昼寝タイム。

具合が悪いのかと驚かしてしまった登山者もいましたが、目をさましたら14時。ゆるゆると烏帽子小屋にもどって、ビールを飲んで17時に就寝しました。

裏銀座を縦走!三ツ岳から鷲羽岳へ

2日目は野口五郎岳や鷲羽岳をぬけて三俣山荘まで。コースタイムは8時間ほどですが、予想外に疲れのおおきな1日でした。

三ツ岳をぬけて野口五郎岳へ

烏帽子岳小屋からみる朝焼け

日の出とともに歩きはじめるつもりでしたが、なんだかんだでスタートは7時前。

昨晩はグッと冷え込んで、ナンガのUDD280でもすこし寒いくらいでしたが、朝日のあたたかさにつられて半袖半ズボンに薄手のソフトシェルであるきはじめます。

三ツ岳の稜線

心地いい朝の稜線あるき。天気も最高で、なかなか足が前にすすみません。

三ツ岳のゆるやかな登りを終えると、野口五郎岳が姿をあらわしました。

そしてその向こうにクッキリと突きでているのが槍ヶ岳です。

ヨウコ

あそこまで歩くのかぁ…!

裏銀座縦走路

北アルプスの稜線

前にもうしろにも、どこまでも広がる北アルプスの稜線。最高すぎる。

三ツ岳の西峰をとおって野口五郎岳へ。燕岳の稜線をおもわせるような白砂のなだらかな稜線で、気持ちよく歩けます。

野口五郎岳から水晶小屋へ

野口五郎岳からみた裏銀座縦走路

野口五郎岳のピークをふんで水晶小屋へ。

だんだんとゴツゴツした岩がおおくなって、地味なアップダウンが連続します。見た目よりもずっと消耗しますね…

水晶岳

赤牛岳

ジリジリと、水晶岳と赤牛岳が近づいてきます。

11時半、水晶小屋に到着。小屋手前の登りはかなりザレていて緊張しました。『力汁(1000円)』がとても気になりましたが、ビール目指してがまんします。

時間的には水晶岳にも行けたのですが、思ったよりも体力も水も減っていたので今回はパス。

水晶岳の稜線にのると、目の前に雲ノ平がとびこんできます。

雲の平と祖父岳

じつは雲の平をみるのはこれが初めて。これだけゴツゴツした山々に囲まれて、平和でなだらかな大地があることに驚きます。

ここまでくると、北アルプスの最深部にきた実感がわきますね。

雲の平をわき目に、鷲羽岳をこえて三俣山荘へ

裏銀座を縦走する登山者

鷲羽岳の白い山肌に向かって歩いていきます。

ゆるなやかな道をしばらくくだり、グイッと登ってワリモ岳、いったん下ってもう一度グイッとあがれば鷲羽岳です。

鷲羽池

足元には鷲羽池。槍ヶ岳がだいぶ近くなってきましたね!

ここまでくれば今日のゴールはもうすぐそこですが、この鷲羽岳からのくだりがかなり急なうえにザラザラした斜面でいやらしい。

ゆっくり慎重にくだって、三俣山荘に到着です。

三俣山荘は水が豊富で、テント場も小屋から近くてとてもいい場所…

だったのですが、なんと、ビールとソフトドリンクが完売とのこと。

ソウジュ

えええ!これを目当てに歩いてきたのに…

3時間さきの双六小屋まで歩こうかとおもうくらいにショックが大きかったですが、今日はここまで。

仕方ないのでワインで我慢することにします。

三俣山荘で買ったワイン

水がたくさんあるので、火照った脚を冷やしたり、ラーメンをつくったりと心身ともにリフレッシュできました。

三俣山荘のナナカマド

小屋のまえのナナカマドの実はすでに赤くなりかけ。夏がおわるのはさびしいですが、秋の山も最高ですよね!

裏銀座から槍ヶ岳をこえて表銀座へ

3日目は、三俣蓮華岳・双六岳をこえて槍ヶ岳。さらに東鎌尾根をおりてヒュッテ西岳まで。今回の縦走でいちばんのロングルートです。

正直いうと、これまでの様子からいうと西岳まであるくのはかなり厳しそうな感触。「槍ヶ岳から上高地に下山してもいいな」とおもいながらあるきはじめました。

三俣蓮華岳から稜線をたどって双六岳へ

3時半に起きると、外は満点の星空。ごはんを食べて5時に歩きはじめました。

夜は前日とおなじくらいの冷え込みでしたが、風のおかげかテントが乾いていて助かります。

鷲羽岳と三俣山荘

まずは三俣蓮華岳へ。槍穂高には雲がかかっていましたが、三俣蓮華のまわりは青空がひろがっていました。

1時間弱で三俣蓮華岳の山頂です。

上空からわたがしのような薄い雲がおりてきて、高いピークから順に隠していきます。ありがたくない光景ではありますが、その幻想的なながめに見入ってしまいました。

裏銀座の稜線

双六岳

双六岳までは、そのまま稜線をぬける『稜線ルート』。

風がつよくて寒いので、ソフトシェルを着てきて正解でした。

双六岳

スタートから2時間ほどで双六岳に到達です。

「ひらけた大地の向こうに槍ヶ岳!」という風景には出会えませんでしたが、異世界感はたっぷりとあじわえました。

双六岳からおりると双六小屋です。建物が新しいのか、とても綺麗な小屋でした。水場もあるし、ぜひ泊まりにきたいものですね。

双六小屋と双六岳

と、ここでヨウコがカルビ丼を注文。

ヨウコ

肉〜!!

ソウジュ

まだ朝の7時半ですけど…

西鎌尾根をたどって槍ヶ岳、さらに西岳へ

さて、休憩したらいよいよ『西鎌尾根』のスタートです。

小屋からグッと登ると樅沢岳で、これからすすむ西鎌尾根がよく見えました。晴れていますが、相変わらず槍は見えません。

樅沢岳からみた西鎌尾根

西鎌尾根はおもったよりもアップダウンがおおくて体力を削られます。

そのうちにルートがだんだんと岩がちになっていき、ついにクサリが出始めました。ここからはヘルメット着用でいきましょう。

西鎌尾根の岩場

シビアなトラバースやザレザレの急登もありますが、着実にあるけば大丈夫。千丈乗越をすぎると、新穂高温泉側からのぼってきたひとたちも合流して、すごい人気ぶりですね。

スタートから7時間弱で槍ヶ岳の肩につきました。

団体もいくつかいて槍の穂先は渋滞気味でしたが、無事に登頂です。

槍ヶ岳の山頂

眺めこそ有りませんでしたが、ヨウコさんは念願かなって、ついでに体力も使い切った様子。

西岳まではコースタイムで3時間半ですし、槍ヶ岳山荘でテント泊して、上高地に下山かなぁと思っていたのですが…

ヨウコ

西岳までいく!!

とのこと。この時点で13時だったので、つくのが16時ごろになってしまいますが、天気ももちそうなので進むことにします。

西鎌尾根と東鎌尾根を1日であるくという贅沢。

…のはずが、じつは東鎌尾根のほうがいやらしくてシビアなアップダウンがつづく悪路で、おまけに途中から雨が降りはじめて、さんざんな目にあいました。

山は晴れているほうがいいですが、荒れた山もまた経験ですね。

表銀座を縦走して中房温泉へ

最終日の4日目は、西岳から大天井岳・燕岳と縦走して、中房温泉に下山すればゴールです。

表銀座を逆回りで縦走する1日となりました。

西岳から東鎌尾根をながめつつ大天井岳へ

この日の予報は、雨。

ところが3時すぎにはきれいな星空が見えたので、出発をはやめることにしました。

5時前には歩きはじめましたが、さっきの星空はいつのまにか雲にかくれて、ガスガスのなかスタートです。

ヒュッテ西岳からすぐに西岳のピークの分岐。この天気では何も見えないということでパスして、そのまま大天井のほうへむかいます。

西岳とヒュッテ西岳

ガスがきれて、西岳のほうがよく見えました。ヒュッテ西岳のロケーションは晴れていたら最高ですね。

表銀座縦走路

なんだか天気がよくなってきました。

こんなことなら西岳のピークもふんでおいてもよかったなぁ、なんて思いながら歩いていると…

槍ヶ岳と北鎌尾根と虹

ヨウコ

うわあぁああ!

なんと、槍ヶ岳から虹!!

写真にはうつせませんでしたがブロッケンも見えていて、すばらしい朝のはじまりとなりました。

ちなみに槍ヶ岳からのびている尾根はバリエーションルートの『北鎌尾根』。ここもちかいうちにトライしたいところです。

表銀座を縦走する登山者

しばらくすると再びガスガスになってしまいましたが、なだらかな稜線なのでゆるゆると歩けます。

スタートから2時間ほどで、大天井ヒュッテに到着。ここから大天井岳のピークへの分岐があるのですが、風とガスがひどいのでこれもパスしました。

燕岳まで縦走し、中房温泉へ下山

大天井岳をあとにして燕岳への稜線をあるいていると、だんだんと晴れ間がでてきて、一気にテンションがあがります。

晴れ間

燕岳の稜線

裏銀座の山並み

谷のむこうを見れば、烏帽子岳、三ツ岳、野口五郎岳、水晶岳に鷲羽岳…今まで縦走してきた山々がズラッとならんで見渡せます。

自分の足で歩いた山を他の山からながめて、「あそこはこんな風だったなぁ」って思う瞬間がとても好きです。

燕岳

燕山荘に荷物をおいて、ピークまで散歩にいきました。

さいごに燕山荘でカツカレーをいただいて、中房温泉へ下山します。

燕山荘のカツカレー

かんがえてみると燕岳や合戦尾根は雪のある時期にしかあるいたことがなくて、雪のない登山道や合戦小屋のスイカはけっこう新鮮。

それにしてもさすが人気の山だけあって、すれちがう登山者が絶えません。チビッコをつれたご家族のパーティーにもたくさん会いました。

気が緩んだのか、第3ベンチあたりの階段で転倒。幸い、いくつか擦り傷をつくった程度ですみました。はきすぎて靴のソールがツルツルになっていたのも原因かもしれません。

ソウジュ

崖じゃなくてよかった…

さいごは中房温泉まで慎重におりて、温泉でサッパリして下山完了です。

中房温泉にはシャンプーやドライヤーが用意してあって助かりました。

ソウジュ

登山口に温泉があるのって、よくかんがえるとめっちゃいいシステムですよね…

まとめ:北アルプスの絶景を満喫するよくばり縦走でした

今回の縦走はほとんどがはじめてあるく場所(大天井岳〜燕岳以外はすべてはじめて)で、すごく新鮮でたのしくあるくことができました。

裏銀座と表銀座をひとふで書きしたうえ、『北アルプス三大急登』であるブナ立尾根と合戦尾根をいちどに味わえてしまうのもポイントです。完全なよくばりプラン。

ただ、ちょっとよくばりすぎてヨウコには体力的な負担が大きかったよう。のんびり余裕をもってあるけるのは、1日あたりのコースタイムで7時間くらいだということがわかりました。

泊まる場所も、『烏帽子小屋』『三俣山荘』『ヒュッテ西岳』と、個人的にいってみたかったテン場をえらんでつなぐことができて大満足。ヒュッテ西岳は天気のいいときにまた泊まってみたいですね。

また、今回はサロモンのXA PROというローカットシューズを使いました。ソールが限界なのでもうお別れですが、テント泊の重装備でも問題なくあるくことができてびっくり。

3日目の雨で靴もちょっと濡れていたのですが、翌日はミドルカットのシューズを履いていたヨウコが靴のなかまでビチョビチョになってしまっていた一方で、ローカットのぼくはほとんど乾いて快適にあるけたのが印象的でした。

この辺りは、もう少しいろんなことを試してみたいなと感じています。

北アルプス全山縦走のあとには、北アルプスのテント場レビューも書く予定です。お楽しみに!

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